ざわざわ森

舞台の感想とか。

3月観劇まとめ

これからの楽しみがひと通り無くなって先行きも不安でまあまあ病んでる。舞台観に行きたい映画館行きたいしディズニー行きたいしピューロ行きたいしケーキ食べたい焼肉食べたいバーガーキング食べた〜い。

 

とりあえず梅田で彷徨ってた魂が何とか戻ってきたので3月に観たミュージカルたちの感想書きます。ネタバレあり。

 

 

ミュージカル『アナスタシア』

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当初行く予定だった日が中止になったので新しくチケットを買い直してどうにか滑り込みで観に行きました。正直入場するまで当日にいきなり中止って言われる可能性も考えて劇場に向かったから無事に開演したことにちょっと泣いた。

散々友達がアニメ映画をオススメしてたのに今までノータッチだったので事前に映画で予習してから観劇へ。曲もストーリーもアニメ映画を基にはしてるものの、キャラクターにも変更があってファンタジー要素が無くなって、違いを楽しむことも出来たから予習しておいて良かった。もちろん何も知らずに観に行っても楽しめるし、とにかく音楽がとても良い。

展開的にはかなりサクサクで、いきなりアーニャがディミトリを訪ねてきたり、アーニャがグレブに呼び出されてたり、観客の見えない所でいつの間にか話が進んでるような唐突さもあって急ぎ足な感じはあった気がする。アーニャが皇太后とパリで初めて面会する場面が視覚的に無かったのは意外だったけど、その場面のディミトリのソロが良かったです。

とはいえストーリーは良いし曲もいいし映像も綺麗で衣装も豪華で特に青のドレスがキラキラですごくかわいい。なによりも一番衝撃的なタンクトップマスターディミトリ!!!タンクトップに股引っぽいズボンでエッッ!!?て思うような格好だった。そこの歌良いのに!服!気になる。映画とは違う形のアーニャとデミィトリの子供の頃の2人の出会いとか、それ皆が大好きなやつ。

キャストも皆さま素晴らしかったし、特に圧倒されたのがリリー役の堀内敬子さん。

私の耳には相性が悪いシオーブでもちゃんと歌詞も聞き取れて舞台上で暴れてるのにブレない歌声。キャラクター的にもチャーミングでかわいいし、色々と美味しい場面が多くてすごく印象的だった。

グレブはアニメ映画版ヴィランの代わりの立ち位置のようだけど、立場を思うと完全な悪役とは言えないと思うし、かなりリアルな人間味溢れたキャラクターだったと思う。ストーカーだけど。山本耕史グレブ、最後は本気で自分の頭撃ち抜いて死ぬんじゃないかと思ってヒヤヒヤした。笑 笑えん

映画版と比べてファンタジー要素が無いからか全体的にちょっとだけ後味がビターに感じて、ラストのアナスタシアは存在しなかったって言葉に、これまで私が観てきたアーニャの旅も全部夢だったのかもと少し切なくなりつつ、幸せで温かい気持ちになれるミュージカルでした。あの真っ赤で豪華なドレスで歩いてたら、かなり目立つのではなかろうか。

 

 

ミュージカル『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』

これも当初買ってた回が中止になり、多分中止になるだろうなと思って急遽別日に滑り込みで観に行った回が結果的に大千秋楽になった。謎の生命体に人類が追い込まれるはめになるような話がウイルスのせいで公演中止になるとか、超皮肉。

急な千秋楽だったため、いつもは録音らしい開演前のシーモア前説も生アナウンスで、客席の空気も温かくて。声だけで伝わるオドオド感とちょっと噛んでたのも、なんか.....凄くシーモア...。3Dメガネが配られるよ、というのは聞いてたけど、いざ入場時に受け取るとすごくワクワクした。

劇中で3Dメガネは2回使って、1回目に『Somewhere That's Green』で主に大きく飛び出してくるシーモアにややウケしてたんだけど、あれはどんな感情で観れば良かったのか。 特にストーリー的に3Dメガネは必要無いけど、普段観劇するときとは違うことするのが特別感があって単純に楽しかった。前説で、メガネをかけるときはピンクの服のお姉さんが合図出してくれるよ、的なことを言ってくれたからピンクの服のコーラスガール3人が合図してくれるものだと思ってたら、ピンクのワンピース着たオードリーが「3Dメガネかけて」って言ってたのでそっちかぁ〜〜〜となりました。

映画版はリメイクの方しか知らないけど、ミュージカル版は最後にオードリーもシーモアも、全員オードリーIIに食べられたことに驚きすぎて、実は生きてましたってならないのかな!?って思ってたんだけど...。これから人の手によってオードリーⅡが色々な場所で大量に生み出されて、きっと人類が絶滅寸前に追い詰められるのかもしれない未来が見える終わり方だったのが、観た時期も相まってまあまあ笑い事じゃない。エンディングでシーモアたちが小さいオードリーⅡのマスク被って踊り散らしてたのも、もしかしたらあの小さいオードリーⅡたちはばら撒かれてたくさんの人間の手元に行く子たちだったのかな??こわ。

ミュージカル版のシーモアは狂人歯医者の服を店の前のゴミ箱にそのまま捨ててるところもマヌケすぎて映画版以上に自業自得感が満載だけど、でも憎めない可愛さがあって、やっぱりオードリーと幸せになってほしかったなー。

【2020.6.1追記】リメイク映画のディレクターズカット版のエンディングがミュージカル通りだった。というかそもそもミュージカルがリメイク映画よりも先らしかった。あのあとオードリーIIが各地に広まった結果も描かれてて、オードリーIIのゴジラ感も突然のハリウッド映画っぽさもストーリーの終わり方も勢いあって面白いと思ったんだけど、何で没にされちゃったんだろうか。

 

音楽もキャストも全部が良くて楽しくて、なんといってもオードリーIIがホントに最高。人が動かしてる感満載のパペットや仕掛けが凄く好きなんだけど、手動を感じるところ含めても個人的にオードリーIIは完璧な存在。お気に入りの舞台が増えて幸せ。観て良かった。

追い出し曲にどう聴いてもパートオブユアワールドが流れてた。リトル違い。

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どちらの公演もキャストスタッフ関わった全ての方々、こんな大変な中でも最善を尽くして上演してくださり、本当にありがとうございました。

 

 

2020年いろいろミュージカルが発表されて忙しくなるな〜なんて思っていたときがピークで、1回も上演せずに中止になったものだらけなので考えることをやめた。本来もっと多くの人に観てもらえるはずだったのにそれが出来なかったものも、そもそも一度も世に出すことが出来なかったものも、もう観られないことがただただもったいないなぁと思う。

作品自体はいつかまた上演出来る日がくるかもしれないけど、キャストもスタッフもその時と同じ人たちが集まれるかは分からないし、仮に集まったとしても数年経ってれば良い意味でも悪い意味でも、今回やろうとしてたものと同じものにはならないだろうし、客側の私も今と数年後では感性も変わってるかもしれないし......同じにならないからこそ本来は見比べる楽しみとかもあるはずなんだけどね。

せめて、またいつか同じキャストで観られる日が来ますように。