ざわざわ森

舞台の感想とか。

2020年7月〜9月観劇まとめ

劇場が開いたなら行くしかない。世界輝いてる〜!

とはいえまだ油断は出来ないのできちんと対策をして、それぞれの公演も2週間は空けてます。これ書いてる今も最後に観た日から2週間以上経ってます。元気です。念のため。

バリバリにネタバレしてるのもあります。

 

 

 

7月

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』イン コンサート

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ヒューー!最高!!月並みだけど、音楽や歌の力が塞ぎ込んでた気持ちを払拭して元気をくれた。こんなにも終わらないで!この空間にずっといたい!って思ったことないくらい楽しかったし、劇場全体がひとつになる感覚も久しぶりで、家に帰ってからも全然興奮が冷めなかった〜!!

帝劇での本公演を楽しみにしていたから、あり得るだろうなと思ってはいたけど中止が決まればやっぱりショックだったし、コンサート版が決まってからも当初取ってた日が払い戻しになってしまったので、本当に観客を入れた公演が出来るのかな?また中止になっちゃうのかな、って不安は劇場に行く当日まであったから、久しぶりに帝劇に入れただけで、本当に舞い上がりました。

コンサート版の参加は初めてだったけど、思った以上に台詞があって過去の公演の映像も一緒に流してくれて、これはもうだいたい本編!笑 とまではいかなくても、ちょっと忙しい人向けのジャージーボーイズ、程度にはストーリーも追えるような構成になってたので、本公演が中止になってぽっかり空いた穴を歌以外の部分でもしっかり満たしてくれました。

なんと言ってもそれぞれのチームのキャストを一気に観られるなんて贅沢すぎる〜〜!本来フランキーが歌う曲をほかのメンバーが歌うのも、コンサートならではで楽しかった。この状況下で久しぶりにお客さんが集まった環境に行ったこともあって、ボブの「僕たちのファンは〜」の台詞が余計に心に響いてちょっと泣いた。

なにより「君の瞳に〜」でフランキー登場の瞬間から劇場を完全に支配した神々しさ!!!ミラーボールが回って緞帳が開いたときの全てが眩しくて、あれを帝劇で体験出来たことがホントによかったと思う。もうなんていうか、あなたこそ奇跡ですが...?

 

あとカメラワークが神では?本公演に映像を使う演出があることを除いても、今回のコンサート版全部の映像の抜き方が良すぎて、ご本人たち目の前にいるのについつい映像見てしまった。それ以外にも、藤岡さんとspiさんて同じチームだったことあるんだっけ?って思うくらいに過去の公演の編集も秀逸で、色んなところで出演者以外のスタッフからも愛を感じた公演だった。

最後のJBメドレーであっきーさんと藤岡さんのデュエットが聞けてなんかもうよくわからんけど胸がいっぱいになったわ。歌、うま。

ハァ〜楽しかった!!って純粋に心の底から思ったのも久しぶりで、普段だったらヒュー!とか言えないタイプだけど、声を出してはいけないプレイを強制されてる中、久しぶりの興奮で叫びたい気持ちに駆られまくった。私の人生の節目節目で「Who Loves You」を流してほしい。私が「あれが最高だった」って過去を振り返るたびにシャカシャカ音を流してください。

またいつかこのキャストでミュージカル版のジャージーボーイズを観られる日を楽しみに待ってます。

 

 

8月

劇団四季『ライオンキング』

やっぱり自分の原点のミュージカルはライオンキングなんだけど、そんなこと言いながら5年ぶりくらいの観劇、信じられない。3年ぶりくらいかなって思ってた。

夏劇場に移動してからは初めてのライオンキングだったから、夏劇場も久しぶり。演出めちゃくちゃ変わってて衝撃を受けた。今更かもしれないけど、この気持ちを誰かと分かち合いたい。

 

演出、台詞、歌詞、全体的に微妙に変更があって要所要所に違和感を感じつつ、いつのま間にか色々変わってるんだな〜、気のせいかな?とか思いながら呑気に観ていたんだけど、「愛を感じて」のバレエシーンが全カットされてたことが1番衝撃的だったし、この衝撃は数日引き摺った。観てる最中は、(ここは劇中イチ濃厚接触だし)って今だけの演出だと信じてたんだけど、夏劇場になってからはカットされてるって知ってびっくりした。別にあのシーンが特別好きだったわけではないけど.....長いし。でも無くなったらショック。無くして気がつく大切なものだった....。あとザズーの炭坑節が富◯サファリパークになってた。

そのほかにも結構途中がカットされてる曲もあって、総合的にスピード感ある流れになってたと思う。「ワン・バイ・ワン」も曲自体が変わってた。

ほかの四季演目でも演出や台詞が変わることはあるけど、何せ数年ぶりのライオンキングだったので善し悪しではなくカットされてるところが多くて衝撃を受けたよって話でした。久しぶりに生で聞いたサークルオブライフ泣けた。韓スカー最 高。

 

 

ミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』

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タイトルに「メイビー」が付いてることの意味、私的には少し切ない。

新しい世代のロボットが活躍してる一方で、主人がいなくなって、自分たち世代の部品の製造が止まったり、いつ寿命が来て止まるか分からない日々を過ごしてるオリバーとクレアを見ていたら、私が主人だったら自分が先に死ぬときはロボットの記憶を消してほかの人に託したり電源自体を取っちゃうかも。

オリバーが自分の存在がまだ誰かの役に立てるって信じていて、その健気さが切なかった。主人に忠実な彼らに、自分がいなくなったときに残りの人生を自由にさせてあげることと、役割を終えさせることと、何が幸せなんだろう。ジェームズがオリバーと離れたあとも、オリバーを思って遺品を残してくれてたことに、きちんと愛情があったんだなと少しだけ救われた。

お互い分かり合えない存在だったオリバーとクレアの恋愛模様や、クレアの「私たちは恋するように出来てないから私を好きになっちゃダメよ」的な盛大なフラグとか、総合的に少女漫画っぽい話だと思う。記憶を消した2人が再開する展開なんて、記憶をなくしても何度でもあなたを好きになるってやつだ!見たことある!!

最後のシーンは観た人によって感じ方とか解釈が変わってくると思うけど、私的にはオリバーは記憶を消してないと感じた。消したけどクレアのことを覚えてる可能性もあるかな。記憶を消す直前に注意されてた植木鉢の置き場を戻したり、クレアが訪ねてきたとき植木鉢にシッ☝︎ってしてたり、初めてクレアと出会ったときとは話し方や雰囲気も全然違ったし、やっぱり消してないんじゃないかなと思う。クレアは記憶は残っていないと思うけど、オリバーに懐かしさを感じてたりするのかも。

記憶があってもなくても、また2人が出会ったことで「メイビー」の意味合いが強まって切ない気持ちになったラストだった。

 

 

9月

プレミア音楽朗読劇『VOICARION Ⅸ 帝国声歌舞伎~信長の犬~』

犬、あまりにも尊い存在。涙が滝のように出てマスクがびしょ濡れになった。

学生時代、サウンドシアターの藤沢朗読劇に通ってた時期があったけど、ここ数年はめっきり行ってなかったので最近はよく日比谷周辺で上演してることとかだけは知ってる程度。あとMARS REDがアニメ化することも知ってる。軍服いいよね。楽しみです。個人的にはTHANATOSが好きでした。

そんな中でいよいよ帝劇でやりますって言われたら、久しぶりに行くならこの機会しかないでしょ、だって帝劇だし。

数年ぶりの藤沢朗読劇と初のVOICARIONでした。行ったのはチーム仁で、出演者も割と馴染み深い方々。

なんとなくあらすじを読んで、そういえば犬の話だし泣いちゃったらどうしよう〜笑 なんて呑気に構えてました。

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泣いちゃったらどうしよう〜笑 じゃねえ〜。

涙と鼻水でぐしゃぐしゃだし当分は諏訪部さんと井上さんの声聞いただけで泣くんじゃないのかな!?

 

出演者の演技含め演出もすごい迫力だし、衣装や小道具のこだわり具合も音楽も全部素敵だった。なにより始まる前の雨の音で、あ〜コレコレ!懐かしい!って気持ちになった。

過去の公演も含めて全公演信長役は女性が演じてるとのことで、観る前から絶対かっこいいって思ってたけど、朴さんの信長はルキフェルに対する慈愛に満ち溢れた感じとか、人間には恐れられてる信長の人間らしい温かみが伝わってきてすごく素敵だった。

秀吉裏で人を操りがち。本能寺の変の黒幕が秀吉説は割と嫌いじゃないかな。この物語の裏の魔王は秀吉だと思ってたけど、ルキフェルに信長の形見を掛けてあげるところで最後の最後に人間に戻ったように感じた。

ルキフェルと瑠璃丸が愛おしくて堪らないのはもちろん、犬を取り巻く周りの人間たちの思いにもすごく胸を打たれて、後半はだいたい泣いてた。信長が本能寺の変の際ルキフェルに助けを呼ぶように嘘をついたことも、犬が苦手な多門が瑠璃丸が死んで思わず漏れた寂しいって言葉にも、一緒に過ごしてきた時間の尊さを感じずにはいられなかったし、途中から資正が瑠璃丸を可愛がってるシーンが来るたびに色んな感情が溢れてきて、私はまあ、だいたい泣いていた。

改めて観客にその想像力を掻き立てさせる出演者の方々の演技の凄さに慄いたのだけど、ナレーションのない会話の台詞だけでも情景が浮かんできて、脳内では資正に甘えて撫でられまくっている老犬や、信長と一緒に白いボルゾイが野原を駆け回っていました。

最期まで信長の犬としての信念を持って生きたルキフェルをとにかく抱きしめたくなったし、早く帰って家にいる犬を抱きしめたいなって思いながら帰りました。

 

 

 

おわり