ざわざわ森

舞台の感想とか。

ミュージカル『ビリー・エリオット』

気づけば年を越してしまったんだけど、10月に観たミュージカルが全部良かったので一つずつ書きます。

既にひとつ観たら次まで2週間空ける自分ルールが破られてるんだけど、とりあえず元気です。

ネタバレあり。

 

f:id:moorichan:20201118191115j:image発光してる

個人的に慌しい時期だったので本当は1回の観劇予定だったけど、どうしても大貫さんのオールダービリーも観たくて行った。

 

 

 

 

エレクトリシティ凄。観てる時の気持ちは完全に親である。

お父さんもあいつ俺の息子なんです、に拍手鳴るのが わ か る 

 

ビリーたちは話す言葉に訛があるんだけど、これからビリーはオーディション会場にいたような訛りのない場所にいるたくさんの人たちの中に、たった1人行くんだなっていう思いが増して切なくなってしまった。

 

 

リトルダンサー(映画)は何年か前に観たきりで所々うろ覚えだったのだけど、最後のシーンははっきり覚えてたのでミュージカルのラストは少し衝撃的だった。オールダービリーが最後に登場するのを想像してたから.....笑

初見はビリーが街を去って終わるなんてだいぶビターエンドだなって思ってたけど、この話はビリーが街の人たちの希望になってバレエで夢を追いかけるだけじゃなくて、自分たちの仕事や尊厳を失っても生きていかなきゃいけない大人たちの話でもあるんだなと思うと、ひとり旅立つビリーにだけでなくビリーを見送って炭鉱の中に戻っていく大人たちに対する思いが込み上げてきた。残された人たち側のストーリーについては映画を見た当時には考えつかなかった。

 

正直台詞とか歌詞が聞き取りづらかったり、うーん?って思うシーンとかもあるにはあるけど、初見で個人的にハマりきらなかったところも2度目に観に行ったときに腑に落ちる感じはあったかも。

大抵の舞台、2回目観たらもう好きだし。

 

今回私が観た2人のビリーが本当に凄かった。彼らはいったい天に何物与えられたんだろうかってくらい何でもこなしてるけど、ここまで想像出来ないくらい努力をしてきたんだと思うと頭が上がりません。

出日寿くんのビリーはピルエットが美しすぎて周りの空気や重量が全て吸い込まれていくようだったし、海琉くんのビリーは歌もバレエも全てに安定感があって素晴らしかった〜!!ほかの2人も素晴らしかったんだろうな。

 

色んな舞台が中止になった中で、出演する子供たち(もちろん大人たちも)の努力の成果を見届けることが出来て胸いっぱいです。無事に公演が出来ることを願ってた観客の気持ちはビリーのバレエの夢を応援した街の大人たちと同じなんだと思う。

 

そして色んな感情を抱えたまま迎えたカーテンコールで、チュチュ姿のウィルキンソン先生に一気に心を持ってかれた。美しいーー!!

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ミュージカル『フランケンシュタイン』DVD

みんな!フランケンシュタインのDVD見てる?うちには発売日より少し早く届いてハッピー!!もう届いてから1ヶ月以上は経ったけど。

大切にします!

 

 

 

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えメッチャよくない?

劇場でみたときの臨場感とか迫力とか衝撃が鮮明に思い出せる仕上がり!流し始めて早々にブルーレイとCDとほかのペアの映像化も全部ほしい気持ちが溢れて止まらないんだけども。

観たかったシーンもしっかり残してくれてるし、あえてここ観て!って細かいシーンをピンポイントで抜いてきてるところも個人的にこだわりを感じられて良かった。映像化してれた東宝ホリプロと色んなところの関係者の方々、再演・円盤を希望してくれたファンの方々、ありがとうございました。

 

DVDが届くまで主にPVと韓国版の音源で細々と食いつないできたので、心の準備もないまま発売日よりも早く届いたことで盆と正月で一気にご馳走が来た感じ。

 

 

まず中川加藤ペアを観るでしょ。そのあと柿澤小西ペアを観るでしょ。で、次は最初のペアをコメンタリー付きで観るでしょ。でそのあともう片方のペアをコメンタリー付きで観るでしょ。そうすると今度は、最初のペアってどんなだったっけ?となり、ループが始まるってワケ。観に行ってるときも割と毎回こんな感じだったけど円盤だろうとこれが永遠に続く。こわいね。

他の日の公演はどんなだったっけ??映像化されてない2ペアはどんなだったっけ?????分からない、もう何も。

 

今年の初めはここ数年の中でも特別生き生きしてたはず。映像観てその時の気持ちを思い出せたことも含めてDVDを買って良かったと思う。むしろあの楽しかった期間はまだ今年のことなのかあ。

 

moorichan.hatenablog.com

 

moorichan.hatenablog.com

 

 

ここが好きだよDVDフランケンシュタイン(順不同)

・ルンゲ♡

・冒頭と1幕終盤の怪物の指!脚〜!!

・映像になると余計に変な感じになるルンゲのコメディパート

・子役ちゃんシーン(かわいい)

・子ビクターへの市長の険しい表情と崩れ落ちていくルンゲ

・酒場でテーブルに上がるときに手を繋いであげるアンリ♡

・私も小西アンリと踊ったり耳元で囁かれたりしたい(欲望)

・裁判前にビクターに笑いかけてあげてるジュリア

古畑任三郎が降臨した中川晃教

・観てるこっちがなんか照れる牢屋

・断頭台の階段を登る和樹アンリ 足ィ...

・実験成功?したときのかきビクターの笑い声

・怪物姿になると美少女感の出る加藤和樹

・闘技場でエヴァが女の子といちゃついてるの知らなかった!2枚ともあえてあの場面を抜いてくる編集のこだわり

・映像になると余計に不安になる柿澤勇人モノマネシリーズ

・カトリーヌ抱っこしながら鎖もぶんぶん回して歌ってる小西怪物

・怪物が負けてムキー!ってなってジャックを呼んでるエヴァ

エヴァにビビってるあきジャ

・音月さんの腕の筋

・ジュリアの手にキスするかきビクター

・最後のあきビクター鬼気迫る顔面

・だいたい絵画な柿澤小西ペアの最後

・寄ってもかわいい衣装

なんかアップで観ると中川加藤ペアのこの2人狂ってる感が強すぎて草超えて森

 

2枚とも最後のアングル超〜いい。両方とも好き。あとジュリア絡みのシーンは子供時代含めて総じて好きでした。

DVD観た妹に裁判でビクターと一緒にルンゲが証言してくれてたらアンリ死ななくて済んだのに...って言われたんだけど、いやまあ.....それを言い始めると市長がいなくなったときビクターがエレンを追いかけていればせめてエレンは死ななくて済んだかも...ビクターがジュリアを兵士に任せずに側から離れなければジュリアは死ななくて済んだかも.....。ビクターの行動の全てが裏目に出まくりで可哀想。さっき、ずっと側にいる〜って歌ってたばかりなのに。

あと「後悔」で光が当たってる薔薇の数の意味、全く無いね。

 

 

 

個人的には、俳優さんが役にどういう解釈や意図を持って演じてるかとかは基本知らなくていいと思ってるんだけど、怪物が闘技場燃やした後に怪物が思い出しているのは誰かのくだりはコメンタリー聞いてた中で個人的に1番納得出来たしそうだと良いよなって思える話だった。どちらにせよ可哀想だけど。

皆さんが楽しそうにフランケンの話をしてるのが聞けて私も楽しかった!またコメンタリーも観よう〜

 

DVDは家宝にします。あとアンケートは書こうね。

2020年7月〜9月観劇まとめ

劇場が開いたなら行くしかない。世界輝いてる〜!

とはいえまだ油断は出来ないのできちんと対策をして、それぞれの公演も2週間は空けてます。これ書いてる今も最後に観た日から2週間以上経ってます。元気です。念のため。

バリバリにネタバレしてるのもあります。

 

 

 

7月

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』イン コンサート

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ヒューー!最高!!月並みだけど、音楽や歌の力が塞ぎ込んでた気持ちを払拭して元気をくれた。こんなにも終わらないで!この空間にずっといたい!って思ったことないくらい楽しかったし、劇場全体がひとつになる感覚も久しぶりで、家に帰ってからも全然興奮が冷めなかった〜!!

帝劇での本公演を楽しみにしていたから、あり得るだろうなと思ってはいたけど中止が決まればやっぱりショックだったし、コンサート版が決まってからも当初取ってた日が払い戻しになってしまったので、本当に観客を入れた公演が出来るのかな?また中止になっちゃうのかな、って不安は劇場に行く当日まであったから、久しぶりに帝劇に入れただけで、本当に舞い上がりました。

コンサート版の参加は初めてだったけど、思った以上に台詞があって過去の公演の映像も一緒に流してくれて、これはもうだいたい本編!笑 とまではいかなくても、ちょっと忙しい人向けのジャージーボーイズ、程度にはストーリーも追えるような構成になってたので、本公演が中止になってぽっかり空いた穴を歌以外の部分でもしっかり満たしてくれました。

なんと言ってもそれぞれのチームのキャストを一気に観られるなんて贅沢すぎる〜〜!本来フランキーが歌う曲をほかのメンバーが歌うのも、コンサートならではで楽しかった。この状況下で久しぶりにお客さんが集まった環境に行ったこともあって、ボブの「僕たちのファンは〜」の台詞が余計に心に響いてちょっと泣いた。

なにより「君の瞳に〜」でフランキー登場の瞬間から劇場を完全に支配した神々しさ!!!ミラーボールが回って緞帳が開いたときの全てが眩しくて、あれを帝劇で体験出来たことがホントによかったと思う。もうなんていうか、あなたこそ奇跡ですが...?

 

あとカメラワークが神では?本公演に映像を使う演出があることを除いても、今回のコンサート版全部の映像の抜き方が良すぎて、ご本人たち目の前にいるのについつい映像見てしまった。それ以外にも、藤岡さんとspiさんて同じチームだったことあるんだっけ?って思うくらいに過去の公演の編集も秀逸で、色んなところで出演者以外のスタッフからも愛を感じた公演だった。

最後のJBメドレーであっきーさんと藤岡さんのデュエットが聞けてなんかもうよくわからんけど胸がいっぱいになったわ。歌、うま。

ハァ〜楽しかった!!って純粋に心の底から思ったのも久しぶりで、普段だったらヒュー!とか言えないタイプだけど、声を出してはいけないプレイを強制されてる中、久しぶりの興奮で叫びたい気持ちに駆られまくった。私の人生の節目節目で「Who Loves You」を流してほしい。私が「あれが最高だった」って過去を振り返るたびにシャカシャカ音を流してください。

またいつかこのキャストでミュージカル版のジャージーボーイズを観られる日を楽しみに待ってます。

 

 

8月

劇団四季『ライオンキング』

やっぱり自分の原点のミュージカルはライオンキングなんだけど、そんなこと言いながら5年ぶりくらいの観劇、信じられない。3年ぶりくらいかなって思ってた。

夏劇場に移動してからは初めてのライオンキングだったから、夏劇場も久しぶり。演出めちゃくちゃ変わってて衝撃を受けた。今更かもしれないけど、この気持ちを誰かと分かち合いたい。

 

演出、台詞、歌詞、全体的に微妙に変更があって要所要所に違和感を感じつつ、いつのま間にか色々変わってるんだな〜、気のせいかな?とか思いながら呑気に観ていたんだけど、「愛を感じて」のバレエシーンが全カットされてたことが1番衝撃的だったし、この衝撃は数日引き摺った。観てる最中は、(ここは劇中イチ濃厚接触だし)って今だけの演出だと信じてたんだけど、夏劇場になってからはカットされてるって知ってびっくりした。別にあのシーンが特別好きだったわけではないけど.....長いし。でも無くなったらショック。無くして気がつく大切なものだった....。あとザズーの炭坑節が富◯サファリパークになってた。

そのほかにも結構途中がカットされてる曲もあって、総合的にスピード感ある流れになってたと思う。「ワン・バイ・ワン」も曲自体が変わってた。

ほかの四季演目でも演出や台詞が変わることはあるけど、何せ数年ぶりのライオンキングだったので善し悪しではなくカットされてるところが多くて衝撃を受けたよって話でした。久しぶりに生で聞いたサークルオブライフ泣けた。韓スカー最 高。

 

 

ミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』

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タイトルに「メイビー」が付いてることの意味、私的には少し切ない。

新しい世代のロボットが活躍してる一方で、主人がいなくなって、自分たち世代の部品の製造が止まったり、いつ寿命が来て止まるか分からない日々を過ごしてるオリバーとクレアを見ていたら、私が主人だったら自分が先に死ぬときはロボットの記憶を消してほかの人に託したり電源自体を取っちゃうかも。

オリバーが自分の存在がまだ誰かの役に立てるって信じていて、その健気さが切なかった。主人に忠実な彼らに、自分がいなくなったときに残りの人生を自由にさせてあげることと、役割を終えさせることと、何が幸せなんだろう。ジェームズがオリバーと離れたあとも、オリバーを思って遺品を残してくれてたことに、きちんと愛情があったんだなと少しだけ救われた。

お互い分かり合えない存在だったオリバーとクレアの恋愛模様や、クレアの「私たちは恋するように出来てないから私を好きになっちゃダメよ」的な盛大なフラグとか、総合的に少女漫画っぽい話だと思う。記憶を消した2人が再開する展開なんて、記憶をなくしても何度でもあなたを好きになるってやつだ!見たことある!!

最後のシーンは観た人によって感じ方とか解釈が変わってくると思うけど、私的にはオリバーは記憶を消してないと感じた。消したけどクレアのことを覚えてる可能性もあるかな。記憶を消す直前に注意されてた植木鉢の置き場を戻したり、クレアが訪ねてきたとき植木鉢にシッ☝︎ってしてたり、初めてクレアと出会ったときとは話し方や雰囲気も全然違ったし、やっぱり消してないんじゃないかなと思う。クレアは記憶は残っていないと思うけど、オリバーに懐かしさを感じてたりするのかも。

記憶があってもなくても、また2人が出会ったことで「メイビー」の意味合いが強まって切ない気持ちになったラストだった。

 

 

9月

プレミア音楽朗読劇『VOICARION Ⅸ 帝国声歌舞伎~信長の犬~』

犬、あまりにも尊い存在。涙が滝のように出てマスクがびしょ濡れになった。

学生時代、サウンドシアターの藤沢朗読劇に通ってた時期があったけど、ここ数年はめっきり行ってなかったので最近はよく日比谷周辺で上演してることとかだけは知ってる程度。あとMARS REDがアニメ化することも知ってる。軍服いいよね。楽しみです。個人的にはTHANATOSが好きでした。

そんな中でいよいよ帝劇でやりますって言われたら、久しぶりに行くならこの機会しかないでしょ、だって帝劇だし。

数年ぶりの藤沢朗読劇と初のVOICARIONでした。行ったのはチーム仁で、出演者も割と馴染み深い方々。

なんとなくあらすじを読んで、そういえば犬の話だし泣いちゃったらどうしよう〜笑 なんて呑気に構えてました。

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泣いちゃったらどうしよう〜笑 じゃねえ〜。

涙と鼻水でぐしゃぐしゃだし当分は諏訪部さんと井上さんの声聞いただけで泣くんじゃないのかな!?

 

出演者の演技含め演出もすごい迫力だし、衣装や小道具のこだわり具合も音楽も全部素敵だった。なにより始まる前の雨の音で、あ〜コレコレ!懐かしい!って気持ちになった。

過去の公演も含めて全公演信長役は女性が演じてるとのことで、観る前から絶対かっこいいって思ってたけど、朴さんの信長はルキフェルに対する慈愛に満ち溢れた感じとか、人間には恐れられてる信長の人間らしい温かみが伝わってきてすごく素敵だった。

秀吉裏で人を操りがち。本能寺の変の黒幕が秀吉説は割と嫌いじゃないかな。この物語の裏の魔王は秀吉だと思ってたけど、ルキフェルに信長の形見を掛けてあげるところで最後の最後に人間に戻ったように感じた。

ルキフェルと瑠璃丸が愛おしくて堪らないのはもちろん、犬を取り巻く周りの人間たちの思いにもすごく胸を打たれて、後半はだいたい泣いてた。信長が本能寺の変の際ルキフェルに助けを呼ぶように嘘をついたことも、犬が苦手な多門が瑠璃丸が死んで思わず漏れた寂しいって言葉にも、一緒に過ごしてきた時間の尊さを感じずにはいられなかったし、途中から資正が瑠璃丸を可愛がってるシーンが来るたびに色んな感情が溢れてきて、私はまあ、だいたい泣いていた。

改めて観客にその想像力を掻き立てさせる出演者の方々の演技の凄さに慄いたのだけど、ナレーションのない会話の台詞だけでも情景が浮かんできて、脳内では資正に甘えて撫でられまくっている老犬や、信長と一緒に白いボルゾイが野原を駆け回っていました。

最期まで信長の犬としての信念を持って生きたルキフェルをとにかく抱きしめたくなったし、早く帰って家にいる犬を抱きしめたいなって思いながら帰りました。

 

 

 

おわり

3月観劇まとめ

これからの楽しみがひと通り無くなって先行きも不安でまあまあ病んでる。舞台観に行きたい映画館行きたいしディズニー行きたいしピューロ行きたいしケーキ食べたい焼肉食べたいバーガーキング食べた〜い。

 

とりあえず梅田で彷徨ってた魂が何とか戻ってきたので3月に観たミュージカルたちの感想書きます。ネタバレあり。

 

 

ミュージカル『アナスタシア』

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当初行く予定だった日が中止になったので新しくチケットを買い直してどうにか滑り込みで観に行きました。正直入場するまで当日にいきなり中止って言われる可能性も考えて劇場に向かったから無事に開演したことにちょっと泣いた。

散々友達がアニメ映画をオススメしてたのに今までノータッチだったので事前に映画で予習してから観劇へ。曲もストーリーもアニメ映画を基にはしてるものの、キャラクターにも変更があってファンタジー要素が無くなって、違いを楽しむことも出来たから予習しておいて良かった。もちろん何も知らずに観に行っても楽しめるし、とにかく音楽がとても良い。

展開的にはかなりサクサクで、いきなりアーニャがディミトリを訪ねてきたり、アーニャがグレブに呼び出されてたり、観客の見えない所でいつの間にか話が進んでるような唐突さもあって急ぎ足な感じはあった気がする。アーニャが皇太后とパリで初めて面会する場面が視覚的に無かったのは意外だったけど、その場面のディミトリのソロが良かったです。

とはいえストーリーは良いし曲もいいし映像も綺麗で衣装も豪華で特に青のドレスがキラキラですごくかわいい。なによりも一番衝撃的なタンクトップマスターディミトリ!!!タンクトップに股引っぽいズボンでエッッ!!?て思うような格好だった。そこの歌良いのに!服!気になる。映画とは違う形のアーニャとデミィトリの子供の頃の2人の出会いとか、それ皆が大好きなやつ。

キャストも皆さま素晴らしかったし、特に圧倒されたのがリリー役の堀内敬子さん。

私の耳には相性が悪いシオーブでもちゃんと歌詞も聞き取れて舞台上で暴れてるのにブレない歌声。キャラクター的にもチャーミングでかわいいし、色々と美味しい場面が多くてすごく印象的だった。

グレブはアニメ映画版ヴィランの代わりの立ち位置のようだけど、立場を思うと完全な悪役とは言えないと思うし、かなりリアルな人間味溢れたキャラクターだったと思う。ストーカーだけど。山本耕史グレブ、最後は本気で自分の頭撃ち抜いて死ぬんじゃないかと思ってヒヤヒヤした。笑 笑えん

映画版と比べてファンタジー要素が無いからか全体的にちょっとだけ後味がビターに感じて、ラストのアナスタシアは存在しなかったって言葉に、これまで私が観てきたアーニャの旅も全部夢だったのかもと少し切なくなりつつ、幸せで温かい気持ちになれるミュージカルでした。あの真っ赤で豪華なドレスで歩いてたら、かなり目立つのではなかろうか。

 

 

ミュージカル『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』

これも当初買ってた回が中止になり、多分中止になるだろうなと思って急遽別日に滑り込みで観に行った回が結果的に大千秋楽になった。謎の生命体に人類が追い込まれるはめになるような話がウイルスのせいで公演中止になるとか、超皮肉。

急な千秋楽だったため、いつもは録音らしい開演前のシーモア前説も生アナウンスで、客席の空気も温かくて。声だけで伝わるオドオド感とちょっと噛んでたのも、なんか.....凄くシーモア...。3Dメガネが配られるよ、というのは聞いてたけど、いざ入場時に受け取るとすごくワクワクした。

劇中で3Dメガネは2回使って、1回目に『Somewhere That's Green』で主に大きく飛び出してくるシーモアにややウケしてたんだけど、あれはどんな感情で観れば良かったのか。 特にストーリー的に3Dメガネは必要無いけど、普段観劇するときとは違うことするのが特別感があって単純に楽しかった。前説で、メガネをかけるときはピンクの服のお姉さんが合図出してくれるよ、的なことを言ってくれたからピンクの服のコーラスガール3人が合図してくれるものだと思ってたら、ピンクのワンピース着たオードリーが「3Dメガネかけて」って言ってたのでそっちかぁ〜〜〜となりました。

映画版はリメイクの方しか知らないけど、ミュージカル版は最後にオードリーもシーモアも、全員オードリーIIに食べられたことに驚きすぎて、実は生きてましたってならないのかな!?って思ってたんだけど...。これから人の手によってオードリーⅡが色々な場所で大量に生み出されて、きっと人類が絶滅寸前に追い詰められるのかもしれない未来が見える終わり方だったのが、観た時期も相まってまあまあ笑い事じゃない。エンディングでシーモアたちが小さいオードリーⅡのマスク被って踊り散らしてたのも、もしかしたらあの小さいオードリーⅡたちはばら撒かれてたくさんの人間の手元に行く子たちだったのかな??こわ。

ミュージカル版のシーモアは狂人歯医者の服を店の前のゴミ箱にそのまま捨ててるところもマヌケすぎて映画版以上に自業自得感が満載だけど、でも憎めない可愛さがあって、やっぱりオードリーと幸せになってほしかったなー。

【2020.6.1追記】リメイク映画のディレクターズカット版のエンディングがミュージカル通りだった。というかそもそもミュージカルがリメイク映画よりも先らしかった。あのあとオードリーIIが各地に広まった結果も描かれてて、オードリーIIのゴジラ感も突然のハリウッド映画っぽさもストーリーの終わり方も勢いあって面白いと思ったんだけど、何で没にされちゃったんだろうか。

 

音楽もキャストも全部が良くて楽しくて、なんといってもオードリーIIがホントに最高。人が動かしてる感満載のパペットや仕掛けが凄く好きなんだけど、手動を感じるところ含めても個人的にオードリーIIは完璧な存在。お気に入りの舞台が増えて幸せ。観て良かった。

追い出し曲にどう聴いてもパートオブユアワールドが流れてた。リトル違い。

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どちらの公演もキャストスタッフ関わった全ての方々、こんな大変な中でも最善を尽くして上演してくださり、本当にありがとうございました。

 

 

2020年いろいろミュージカルが発表されて忙しくなるな〜なんて思っていたときがピークで、1回も上演せずに中止になったものだらけなので考えることをやめた。本来もっと多くの人に観てもらえるはずだったのにそれが出来なかったものも、そもそも一度も世に出すことが出来なかったものも、もう観られないことがただただもったいないなぁと思う。

作品自体はいつかまた上演出来る日がくるかもしれないけど、キャストもスタッフもその時と同じ人たちが集まれるかは分からないし、仮に集まったとしても数年経ってれば良い意味でも悪い意味でも、今回やろうとしてたものと同じものにはならないだろうし、客側の私も今と数年後では感性も変わってるかもしれないし......同じにならないからこそ本来は見比べる楽しみとかもあるはずなんだけどね。

せめて、またいつか同じキャストで観られる日が来ますように。

 

2019年6月〜2020年1月観劇まとめ

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🧸

 

ミュージカルフランケンシュタインにハマりました。藪から棒。

今日から名古屋公演だ〜

 

フランケンについてはまた後で延々と書きます。

 

〜以下まとめ〜

備忘録のつもりで始めたのに去年の5月を最後に息してない。

2019年6月以降の観劇だけザックリ感想。ネタバレあり。

 

2019年

6月

劇団四季『アラジン』

久しぶりの観劇。ジーニーキャストをコンプリートした(多分)

どんなに落ち込んでも観たら絶対元気になれて幸せになれる。大好き。全人類の必修科目にしてほしあえ。

 

◇宝塚宙組オーシャンズ11

久しぶりの宝塚!ヒロインの衣装、絶対レタスだった。『美』を浴びて劇場出たあとに現実に戻ることは不可能だよ〜。

誘ってくれた友達、ありがとう。

 

 

7月

◇ミュージカル『エリザベート

For the first time in forever エリザベートを観ました。噂に聞いてたトート、ファントム感(ストーカー)

個人的に「私だけに」の歌詞には共感しかないんだけど、そのあとのエリザベート自身には共感出来るところはほとんど無いのが率直な気持ち。せっかく取り戻した子供に対してかなり無関心すぎないかい??

ただ本当に1幕ラストの鏡の間はすっごく美しくて鳥肌が立った。観てから時間が経ってもあの衝撃は忘れられない。あの感動はずっと覚えてたい。

2階のS席だったんだけど、1階席がほぼ見えないからルキーニが客降り中にマグカップとか配ったりしてることを後で知った。

宝塚版も観たいです。

 

 

10月

◇ミュージカル『ボクが死んだ日はハレ』

事故で突然死んだ息子と、息子が死んでから過去に囚われてる母親と、その母親を救いたい仲間たちのそれぞれの登場人物の描き方が丁寧で、こんな感じの人実際にいそうだな、こういう境遇にいたら私も同じこと考えるだろうな、って誰の立場になっても共感出来る話だと感じた。2幕の逆再生して前のシーンに戻るところが印象的。ただ会話のテンポとか演出が合わないのかいまいち全力で作品に入り込めなかった。ほかの作品もそうだったので多分演出の方と馬が合わない。

 

◇『五右衛門マジック』

結論として、和田琢磨を見るために行った。

あくまで個人的な意見だけど、俳優同士の身内ネタを劇中に入れたりアドリブに入れるのは結構寒いし面白くない。百歩譲ってちゃんと演技してるならいいけど素に戻って話してるのとか何見せられてんだろうって思う。一気に現実に戻されるし、それが劇中に何回もあると流石に許せん。

既にうろ覚えだけどストーリーが二転三転した上での最後の最後で主人公が黒幕だったオチでびっくりとはなったので、話を知った上でもう1回観ると理解が深まって面白かったのかも。

戸谷くんが直前の降板で残念だったけど、期間が無い中で代わりに出演された山口さんに拍手を送りたい舞台でした!

 

◇ミュージカル『ラ・マンチャの男

同じ役を半世紀演じ続けるって本当に凄いので、50年のこのタイミングで観に行けたことは心の底から良かったと思う。久しぶりに観たあとも数日間余韻に浸ったミュージカルでした。

劇中劇に入る冒頭のイントロからの口上的な台詞と早替え、全てがかっこよすぎた。

 

 

11月

◇『PSYCHO-PASS Chapter1―犯罪係数―』

突然始まったミュージカルパートに困惑したつつ、脈略なく歌って踊られると面白さ感じずにはいられないというか.....。アニメの1話から色々飛ばして女子校の話あたりなので、本来あのストーリーで楽しいと思うところなくない?だけど、無理矢理ダンスと歌を入れました感が否めなくて、なんか面白かった。やけにうまいなと思ってたら木暮真一郎さんがいた。

誰よりも再現度が高かったのは泉宮寺豊久。こわい。

 

◇ミュージカル『天使にラブ・ソングを ~シスター・アクト~』

楽しすぎて泣いた。映画以上に好き。

ローマ法王登場が最高に上がる。破天荒なデロリスも天真爛漫なシスターたちもみんな最高最高最高。

また絶対観たい。

 

12月

ミュージカル『ビッグフィッシュ』

別に全然似てないのに川平慈英浦井健治が親子しても生まれない違和感。

正直映画が好きすぎたけど、ウィルがエドワードの人生の結末を語るシーンはやっぱり感動する。韓国のスコット・シュワルツ版の演出も観てみたいと思いました。

 

Coloring Musical『Indigo Tomato』

平間くんのポテンシャルの高さを再認識した。ホントになんでも出来るやん。

舞台上の壁が正六角形の幾何学模様の黒板だったのだけど、タカシが絵を描いたり計算をすることで、舞台が終わるころには全部埋め尽くされていたのが印象的だった。

タカシがクイズ番組に出ようと決めたのは女の子に見てもらいたいから?ってことを言われてたけど、その見てもらいたい女の子が出て行ったお母さんだって気づいたとき、心がキュッとなった。

お母さんには会えないままだったけど、タカシとマモルがこれから幸せになってくれるといいな、と思わされる人の繋がりを描いた作品だった。

 

 

2020年

1月

少年社中『モマの火星探検記』

社中リベンジの巻。モマが持ってた紙切れ?とか、モマのボイスレコーダーをユーリが持ってたのは何でだろうとか、一回だけでもは全て理解しきれなかった部分もあるけど、ひとまず社中リベンジができたし観て良かった。宇宙に残されるって想像しただけで恐ろしいし、仲間を置いていく乗組員たちの気持ちを想像しただけで胸が苦しくなる。乗組員の名前が作曲家なのがおしゃれ。

 

ミュージカル『シャボン玉とんだ宇宙までとんだ』

大学生のとき音楽座(Rカンパニー)で観た以来のシャボン玉。ドリームがすごく印象強いから、音楽座で観た時に聴いたメロディーが記憶に残ってた。あと改めて出演者が凄くてびびり散らかした。

特にあの錚々たる顔ぶれの中でも咲妃みゆちゃんのお佳代の輝き、役超えてここに存在していたし、何よりこの作品で土井裕子さんを拝めただけで私は幸せ者です。私は吹替のナイトメアービフォアクリスマスで育ちました。

 

ミュージカル『フランケンシュタイン

我人生狂

※後日記載予定

 

 

以上

名古屋公演行ってきます

 

5月観劇まとめ

2019年の半分が終わる!!!!!

令和初観劇。

ミュージカル『キンキーブーツ』

今年一番だ〜(時期尚早)

今までに経験したことない客席の盛り上がり。
キャンセル待ちの列が激並びだった理由がよく分かった。三浦春馬も、ローラってキャラクターもぜんぶ強くてかっこよくてかわいかった。
rrrrrrrrレッドの衣装ももちろん良いけどブルーの衣装もかわいくて好き。


全部楽しかったの一言にまとめたいくらいに楽しかった。
歌詞が聴き取れないようなところもたくさんあったけど、とにかくすごく元気をもらったのでもうなんでもOKです。



ミュージカル『レ・ミゼラブル

急遽観に行けることになったので!
今年はチケットが取れなくて完全に諦めてたから当初行きたいと思ってたキャスト組み合わせではなかったけど、結果的に安定のベテランキャスト陣で観ることが出来たのでスーパーウルトララッキー。
そもそも今年のレミゼ、何故こんなにチケット取れなかったの?

観に行けたこと自体が嬉しくてプロローグ時点で割と満足してたけど、川口ジャベの自殺シーンが圧巻すぎて、このシーンでこんなに感情揺さぶられるなんて思わなかった。

サイゴンのチケットこそ大勝利出来ますように

4月観劇まとめ

平成最後の観劇たちだよ。ネタバレありです。


舞台『PSYCHO-PASS Virtue and Vice』

密かに待ってた舞台化、おめでとう。
舞台化したら狡噛さんはあの人が合いそうだな、ギノさんは誰かなとか考えていたこともあったので舞台オリジナルでやるのは予想外だったけど、これだけで話が完結するから良かったかな。
でもヒロキ スズキさんはきっと槙島聖護も似合うって...ね...


ビビりなので終始ホラーだったし銃声はデカイしで観終わったときの疲労感が凄まじかった。
あと普通に話難しかったんだけど、1回で全部理解してる方々凄いと思う。2回目を観に行ってようやくあーそういうことね完全に理解した(わかってない)って感じだったんだけど、PSYCHO-PASSへの解像度の問題かな。
原作自体色々とややうろ覚えだったのだけど、朱ちゃんの声の登場があったりヘルメット騒動などの単語そういうのあったな〜など思い出しながら観ていました。

とにかく登場人物がどんどん死にまくるので、途中からライチ光クラブ?という感覚に陥ったんだけど、ロイヤルなBGMでバタバタ退場していって、もうとりあえず殺しておこうってなってないかな?漫画オタク、あんたは生き残ると思ってたのに
一瞬でも分析官の彼が裏切り者なんだろうなって思ってごめんなさい、あなたは3係のジミニークリケットだった。
井口先輩が早々に退場したショックも強かったし、相田さんも人が良すぎて、というか監視官より執行官の方が普通に性格が良かった。


結局、ヒロさんは犯罪係数を改竄されたことで監視官になった潜在犯で、九泉は記憶を変えられたことで犯罪係数が下がって監視官になったってことでいいのだろうか。
そもそも自分の親を殺した記憶を植えつけて、それが正しいことだと思わせること自体が倫理的には無理ある気がするんだけどな。

ドミネーター、出番は少なかったけどやっぱりとてもかっこよかったです。




ミュージカル『笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-』

サブタイトルがダサい。

ヴィクトルユーゴーについては詳しくないけど多分誰か死ぬよね的な感じで生きているので、今回もそんな感じだろうなと思ってはいたんだけど、曲がワイルドホーンなのでそれだけでも充分楽しみ。平成最後の観劇はコレ。

もっと、見た目で人を判断するな人間と怪物どこに違いがあるのだろう的な話かと思ってたけど(あながち間違ってはなかったけど)、主人公のグウィンプレンが予想外に光属性の好青年で、自分の正体が貴族の出身だと分かったときにこれまで一緒に過ごしてきた人たちに手のひらを返すような人ではないところは良かった。純粋で他人の幸せを願っていたからこそ、逆にその思いが上流階級の人間には全く伝わらないのも切ない。
私が観た回のデアは衛藤美彩ちゃんで、歌い方もミュージカルしすぎず、儚げな役と合ってた。主人公とヒロインが綺麗な心の持ち主すぎるあまり、グウィンプレンがデアに対して恋愛感情あったことは劇中では伝わりづらかったかな。


全体的に分かりやすいストーリーだったけど、ジョシアナ公爵が言ってたフェドロの裏切りとは?だったので、帰ってから色んな人の考察ツイートを読んでたんだけど、原作を読むと分かる内容なのだろうか。
特別大きく盛り上がる場面があるわけでもなく、また再演したときに行くかは、まあ微妙。
デアの最期は死んだ?生きてた!やっぱり死んだ...という感じでなんだか呆気なくて、グウィンプレンが死んだことも含めてラストはかなり抽象的だったと思う。 
書きながら気づいたけどまた人が死んで終わるミュージカルだった。悲しいね。